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munari

[courtesy Corraini Edizioni]

イタリア
Corraini Edizioni(コッライーニ)
  • 1973年にマントヴァで創立されたコッライーニ社は、出版社およびアートギャラリーであり、また実験や研究のためのスペースと位置付けています。

    コッライーニ社はブルーノ・ムナーリの作品を数多く出版していることに加え、エンツォ・マーリやエットレ・ソットサスといったイタリア人アーティストの作品はもちろん、五味太郎、こうのあおい、三浦太郎といった日本人アーティストの作品も出版しています。

    これらのユニークな作品からは、コッライーニ社が常に創造性と想像力に開かれた場所であることの証明と言えるでしょう。
    コッライーニ社のカタログにはブルーノ・ムナーリに関する作品が約60冊収録されており、その中には『イタリア語辞典の補足』などの古典から、『闇の夜に』、『霧の中のサーカス』などの歴史的な児童書も含まれています。

    ムナーリ作品の段階的な復刻プロジェクトは、60年代から70年代にDANESE社から出版された『プラス&マイナス』、 『カードを並べてシーケンス(物語)を作りましょう』、『現実世界のイメージ』などの歴史的なゲームの再出版として継続されています。


    *2023年にコッライーニ社の声がけで日本のパートナーとして株式会社CAST JAPANが加わりました。

  • [courtesy Corraini Edizioni]

WHO is HE?

  • About Bruno Munari(ブルーノ・ムナーリ)

    [courtesy Corraini Edizioni]

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    ブルーノ・ムナーリを1つのジャンルで括ることはできない。美術家、画家、彫刻家、グラフィック・デザイナー、プロダ クト・デザイナー、絵本作家、研究者、教育者、著述家、そして子どもと遊ぶ人、etc.。そのジャンルレスな活動はまさに稀代の表現者であった。1930年代にイタリアの前衛美術運動「未来派」の中でも「後期未来派」に分類される時期にキャリアをスタートさせて以来、彼は常に絵画、彫刻、デザイン、写真、そして教授学の分野におけるあらゆる形の「実験的」な創作活動を行なった。この多方面に渡る活動の一環として、常に子どもの世界に特別な眼差しを向けていたことは特筆すべき事実と言えるのではないだろうか?形態と素材が作品内容と直接的関係にある彼のデザインは、触れる者を立ち止まらせ、思考や想像を働かせることを誘う「本」や「ゲーム」として子ども達の芸術教育に注がれたのだ。


    PLAY with ART!

    [courtesy Corraini Edizioni]

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    子ども達の造形教育に力を注いだムナーリは、遊具や仕掛け絵本などを発表し、さらには子供のためのワークショップも実践しました。ムナーリは著作『ファンタジア』において、「未来の社会はすでに私たちの中に、つまり子供たちの中にある」と語っています。

    1970年代にブルーノ・ムナーリが子ども達の美術教育、創造的思考の育成を促すために考案した「アートと遊ぶ」という概念は、「アートで人を育てる」という現代の芸術教育メソッドに受け継がれています。ムナーリの作品には、幹の分枝構造を教える書籍、ワークショップ、あるいはデッサンなど生物学的な観点を主題にして展開されています。

    一方でデザイン理論の基礎としてのモジュール構造を重要視していたことに我々は重要視すべきなのです。つまり生物学的な全体像と、全体を解体してその基本単位を知ること、そして自分で世界を再構築すること。これらを実験をするようにその経過を見て、感じて、想像して、考えるプロセスを「遊び」を通して伝えているのです。

    TOY? or BOOK?

    [courtesy Corraini Edizioni]

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    「まるでおもちゃのような絵本」
    これはムナーリの息子であるアルベルト氏が後に回顧した表現です。彼が5歳の時、ムナーリがプレゼントしたい本が見つからないので自ら制作したのが、後に「ブルーノ・ムナーリの1945シリーズ」(全10冊)と呼ばれる絵本シリーズです。

    当時の絵本は文章が主体で挿絵といえば蝶や花が舞うような19世紀的なイラストばかりの時代。ところがムナーリの絵本はページが物語の変遷によって変化し、アイデアいっぱいに仕掛けがあり、読み進めていくと紙媒体の中で3次元の世界に居てストーリーを身体で体験しているような感覚が生まれてきます。

    絵本が単なる紙媒体であることからあらゆる可能性を持った視覚体験の場になったのです。戦後間もないこの時代に、これだけの革新的な作品が生まれたことにも驚かされます。

    [courtesy Corraini Edizioni]

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    作品の一部を体験してみましょう。『霧の中のサーカス』では、かつてミラノの名物だった朝の街を覆う霧の様子をトレーシングペーパーで表現しています。絵本の紙がトレペなのです。だから読み進めると「シースルー効果」によって数ページ先のバスや車やバイクの絵が重なって徐々にうっすらと見えてくる様子は、まさにミラノの霧の中をあなたが実際に歩いている感覚になるのです。進むだけではありません。繰ったページは既に過ぎ去ったものではなく、うっすらと重なって見える「過去」が生き生きと現在(のページ)に避け難く繋がり、本の中で私たちの視界を躍動させるのです。

    距離や時間の変化を表現するこの手法は、まさにアートです。そして突如霧の中から現れるのは、眩いほどに迸るカラフルなサーカス団です。紙素材はトレペから色彩豊かな色紙に変化し、あなたは突如として別世界に足を踏み入れることになります。ページごとに色が変わり、また様々に型抜きされた形状から現れる別の色。いくつかの原色が織りなす立体的な視覚体験、次ページへの誘い、次々に登場する表現豊かなサーカス団。あなたがカラフルな幻想世界の住人となっていると知る頃にはもう、サーカス劇場を去らなくてはなりません。そしてまた静けさ漂うトレーシングペーパーの公園の中を歩き、家路に着くのです。

    これら子どものための実験的な彼の絵本は、「小さなノーベル賞」と言われる児童文学賞「国際アンデルセン賞」を1974年と84年に受賞するなど世界的にも認められいます。

  • About Enzo Mari(エンツォ・マーリ)

    [courtesy Corraini Edizioni]

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    世界的に高名なデザイナーであり“Made in Italy”という、当時全く新しいコンセプトをもたらしたエンツォ・マーリは、そのキャリアにおいて「誠実なデザイン」を説き続けた人であった。その生涯をミラノで活動を続けたエンツォ・マーリの“戦い”は、ブレラ美術アカデミーでアートを学ぶところから始まる。ところが、社会主義思想を持つマーリは、アートの市場の不条理さから次第にデザインへと移行していく。戦後間もない当時にあっては「デザイン」や「デザイナー」という職業もなく、「ものづくりは市民生活を支える道具を作ることで、社会を良いものへと変革できる」というイデオロギーを孕んでいたからだ。この時期に学生であった彼に手を差し伸べたのは、現代のダ・ヴィンチと称されたあのブルーノ・ムナーリであった。やがてムナーリとマーリはDANESE社で数々の創造的なデザインワークを遺すことになる。


    DESIGN ×EDUCATION

    [courtesy Corraini Edizioni]

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    デザインとは、一般的に使われる表層的な装飾のことではない。

    そのデザインを通して、社会の構成員、つまり「生産者である企業」、「製品を使う消費者」、「ものを作る職人」の文化的なレベルアップを図るということだ。

    企業には、社会が本当に必要なものを正当なカタチで生産する責務を、消費者には扇情的な広告や形状・外観で惑わすのではなく、そのモノの社会的存在意義を正確に理解させるようにデザインすることであり、職人には産業社会で取り残されない技術と知識・想像力が備わる環境と方向性を用意することだとしている。

    かのブルーノ・ムナーリも自らの知名や作品以上に、想像力を教えるための教育メソッドが継承されることを熱望していた。

    “ノーベル賞は2歳児に授与されるべきだ”

    [courtesy Corraini Edizioni]

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    社会の文化的・社会的・倫理的な向上の役割をデザインに求めたマーリは、子どものデザインにも力強い足跡を残すことになる。

    1950年代に若い父親だった彼は、多くのおもちゃが子ども達の創造的思考や自主性を促進していないモノであり、逆に子ども達は自由な遊びやゲームに夢中になり、トライ&エラーという創造的なプロセスを通じていかに早く世界について学ぶかに魅了されたのだ。

    この分野における初期のデザインでは、「16animali」(DANESE社)がある。これはオーク材の連動する積み木兼パズルで、驚くほどエレガントで美しい動物のシルエットがぶつかることなく重なり合って構成するパズルだ。

    この動物たちを木版画にして、シーソーの上でバランスを取り合うユーモラスな姿を描いたのが「See-saw(シーソーの本)」(Corraini社)だ。

    この本は蛇腹式で一枚の蒔絵のようになっていて、最初はシーソー以外何もない段階から、扱いにくい象、しなやかな蛇、彫刻のようなカンガルーなど16の動物が徐々に登場し、シーソーの上でお互いを追いかけたり、重なり合ったり、重い体でシーソーの端に飛び乗ってバランスを保とうとしたり、紙面狭しと躍動する。

    最後は16匹が見事にパズルの如くシーソーの上に収まりバランスを取るのだが、この重力の関係を時間と比例させてみせる手法は素晴らしい。

    [courtesy Corraini Edizioni]

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    また、「The Fable Game (おはなしづくりゲーム)」(Corraini社)では、寓話(Fable)的に動物や植物が描かれた切り込みのある6枚のプレートを自由に組み合わせ、立体的な建造物として成立させ、子ども達に覗き込んだり、移動したり身体性を伴いながら物語を作るような環境を提供している。

    さらに、この寓話的な登場動物たちにフォーカスし、象徴化したポスター・シリーズもある。

    グラフィック・デザイナーとしても高名なエンツォ・マーリだが、動物を題材にしたネイチャー・シリーズでは、動物を極限まで認識可能な最小要素に削ぎ落とすというストイックなプロセスにより完成している。

    このミニマルにアイコン化された上品なフォルムは、子どもから大人まで見る側の誰をもの想像力を刺激し、心を動かすのだ。

WEBカタログ

  • 【目次】
    ・About Bruno Munari
    WHO is HE? / PLAY with ART!
    ITEM▶ 読めない本 MN1 / 闇の夜に / 霧の中のサーカス / 1945年シリーズ / MC1 アーキテクチャー・ボックス New Edition / アコナ・ビコンビ / プラス&マイナス / カードを並べてシーケンス(物語)を作りましょう / 現実世界のイメージ / ポスター
    ・About Enzo Mari
    WHO is HE? / DESIGN×EDUCATION
    ITEM▶ 遊び場のための知育玩具 / 目的のための自己演習? / おはなしづくりゲーム / シーソーの本 / ポスター

    WEBカタログを見る

© Bruno Munari.All rights reserved to Maurizio Corraini s.r.l.-Coutesy Corraini Edizioni

© Enzo Mari. All rights reserved to Maurizio Corraini s.r.l. - Courtesy Corraini Edizioni

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